
タイは金行が盛んで、タイ人は金が大好きと言われています。
タイだけでなく東南アジアや中国でも金行の習慣は根付いているようですが、今回はタイで金行が盛んになった背景やタイの金に関する習慣についてご紹介します。
1.金行をするのはなぜ?
一言で言うと「投資」が目的です。
タイ人はまとまったお金ができると、金だけでなく自動車や時計などの大きな買い物をする傾向があります。
これは、現地通貨の価値が安定していなかった名残からくるもので、今でも現地通貨の価値を信用していない人が多くいます。
現金は一晩でその価値がゼロになってしまうリスクがあるが、金の価値は世界共通なので、これから先もその価値がゼロになることはありません。
ですので、まとまった現金を貯金するぐらいなら、金に換えて保管しておいた方が安心だという考えのようです。
自動車や時計も同じ事で、タイでは長年使用しても価値があまり下がらないため、財産として購入する方が多いようです。
現金がなくなればそれを換金する事もありますし、金のアクセサリーの場合はデザインに飽きた時に同じレベルの価格帯の新しいものに買い替えることもできるので、タイでは金行が価値ある投資とされ、積極的に行われているのです。
2.タイの金に関する習慣
投資目的での金の購入が盛んですので、多くのタイ人の中では「金は最も価値のあるもの」という認識があります。
富裕層はゴールドバーを購入し、自宅に保管する方が多いのですが、一般の方はアクセサリーに加工して肌身離さず身に付けている事が多いです。
これは大切なので肌身離さず付けていたいという考えだけでなく、自分は財産を持っているんだぞというアピールでもあり、一種の見栄のような考えもあるようです。
このような理由から、金のアクセサリーはお祝い事のプレゼントとしても頻繁に用いられています。
代表的なもので言えば、結婚指輪と結婚の際の結納品として、ネックレスやブレスレットが選ばれますが、その他にも恋人への誕生日プレゼントや、子供の成人祝い、就職祝いなど、節目のプレゼントとして金を選ぶ方が多いです。
タイの企業には勤続年数が長い従業員に、特別ボーナスとして金のアクセサリーを贈呈する所もある程で、それだけタイ人にとって金は特別で価値のあるものという事です。
ちなみに日本人男性がタイ人女性と付き合うと、必ずと言っていい程金のアクセサリーをねだられるなんて話も、本当か嘘かわかりませんがよく聞く話です。
今回はタイの金に関する習慣についてご紹介しました。
タイの人々にとって、金を購入し身につける事は、単なる投資だけではなく、もっと特別な意味があったりするという事がわかりました。
日本の庶民である私にとっては、高額な金を身にまとって生活して、もし盗まれたらどうするんだろうなど余計な心配をしてしまうのですが、そうする事がタイの人々のプライドやステイタスのひとつだという事を知り、なんだか妙に腑に落ちたのでした。